物語りたい

まだまだ物語り足りない

脚本家、鎌田敏夫

前回、ドラマ「天皇の料理番」について書いたとき、自分が尊敬する脚本家として、鎌田敏夫氏の名前を挙げた。

好きで、尊敬する脚本家なら何人かいる。大御所の倉本聰氏や、向田邦子氏、、など。しかし、自分のシナリオ好き、ドラマ好きを決定づけたのは、おそらく鎌田敏夫氏だと思う。

それは、小学生の時苦い思い出を残したNHK人形劇「南総里見八犬伝」の連続放送が終わった頃、放送が始まった「俺たちの旅」との出会いが強烈だったからだ。

俺たちの旅」をよく知る人たちは多いだろう。その人気から、後年アイドル・グループ「V6」の「カミセン」メンバーの、森田剛三宅健岡田准一の三人で、1999年に「新・俺たちの旅 Ver.1999」としてリメイクされた。

本家のドラマも、その人気はなかなか冷めず、放送終了から10年ごとにスペシャルドラマとして放送されたほどだった。

自分は「俺たちの旅」の世界に魅了された。青春、友情、自由、生きるということ、それらのことをテレビ画面を通じて、中学校に入学するかしないかの頃、未来に向けて期待していたのだ。

そして、やがて高校を卒業し大学生になった自分は、ドラマの舞台にもなった東京吉祥寺の町に住むことになり、この地で20年近くを過ごした。

そんな自分の人生の一部を決定づけた作品が、「俺たちの旅」なのである。

その脚本を書いたのが、「鎌田敏夫」さん。今振り返ってみると「サインはV」「男女7人夏物語」「太陽にほえろ!」「金曜日の妻たちへ」「戦国自衛隊」など、ここに書ききれないほどのヒットを飛ばしている。

世の中に著名な脚本家はたくさんいる。その中でこれほどの話題作、ヒット作を書いた鎌田氏の名前をどれだけの人が知っているだろうか?