物語りたい

まだまだ物語り足りない

「南総里見八犬伝」

前回、今読んでいる「どてらい男」の後に読みたい本がある、と「黄金の日日」を挙げた。

その一方で、昔から何度も読みたいと思っては躊躇している本がある。

それは滝沢馬琴作「南総里見八犬伝」だ。

 

これには、ちょっと苦い思い出がある。自分が確か小学4年生の時にNHKの人形劇で「南総里見八犬伝」をやっていて、犬と人間の間に生まれた子供たちが活躍する奇想天外さが新鮮で、毎回楽しみに観ていた。そして、ちょうどその頃クラスで文芸会みたいな催し物が企画されていて、自分は「南総里見八猫伝」を書くと公言し、その脚本で芝居が行われることになったのだ。しかし、自分は何事にも中途半端で最後までやり通したことがなく、その台本も全く書けずに、クラスの全員の前で泣いてチャラにしてしまったのだ。

今思い出しても、赤面してしまう。。何て幼稚で、浅はかだったんだろう。。何の捻りもなく、「犬」を「猫」に置き換えただけで、何が書けるというのだろう。いくら思い出そうとしても、当時自分に独自のストーリーの構想があったはずもなく、滝沢馬琴が気の遠くなる時間をかけて創り上げたこの物語を読みもせず、新たに作り直せるはずもない。。

この愚かで、もしかすると知恵遅れか?と疑われても反論できないほどの低能で、やらかしてしまったこの過去の出来事(低能さ)が、その後の自分の人生を決定づけてしまったのかも知れない。。

ふと、そんなことを思い浮かべるたびに、人生のリベンジを考え、「南総里見八犬伝」を読み、これを素材にしてストーリーを創りたいと思うのだが、怠け者だからか、難度が高いからなのか、そのいずれもが足止めして、もう初老という域が近づいたこの歳になっても実行できていない。

ああ、、情けなや。。

 

と、ため息をつきつつ、今度こそ、と何千回目か分からないほど決意をする自分なのでした。。(← あーあ。また中途半端にお茶を濁している。。)