物語りたい

まだまだ物語り足りない

「どてらい男」

自分は今、花登筺作の小説「どてらい男(ヤツ)」を読んでいる。時間のある時に少しずつ読み続けているのだが、これがとても面白いのだ!

 

「どてらい男?」

 

このタイトルを知っている人は、おそらく50代以上の人だろう。

自分は間もなく55歳の誕生日を迎える。その自分も、記憶が途切れ途切れなのだが、検索して調べてみると1973年から1977年までテレビでドラマ化された小説なのだ。

戦前戦中から戦後までの、大阪の商人を描いた骨太なドラマで、大人向けだったのだろうが、当時小学校4年生だった自分は、その内容がとても面白くて欠かさず観ていたような覚えがある。

 

今読んでいるのは、全11巻中の4巻目。この段階ではまだ登場していないが、ドラマの中で宮崎県出身だという登場人物が現れ、宮崎県の郷土料理「冷や汁」を作って、仲間たちに食べさせるというシーンがあり、そこが強く記憶に残っている。

 

ドラマを観てから、もう40数年経つが、いつか原作を読みたいと思っていた。しかし、本がどこを探しても見つからない。中古本さえ見つからず、図書館にもない。それで、時々思い出しては、あっさり諦めていた。

 

そこへ、つい最近本が自分の目の前に現れた。図書館に貸し出された本を返却する棚があって、そこで見かけたのだ。さっそく借りてみようと思い、図書館員に尋ねてみると、あまりに古く状態も良くないので、書架ではなく書庫に保管してあると言う。借りてみると、もうボロボロであちこちのページが外れていて、気を付けないと本自体がバラバラになってしまいそうだ。

 

今は本で読んでいるが、できればドラマでも見直してみたい。主演の西郷輝彦も、共演の田村亮も若かったし、ずいぶん懐かしいに違いない。。。

と、ネットで検索してみると、ドラマを制作した関西テレビが「どてらい男捜索プロジェクト」と旗を揚げ、映像テープを探しているそうだ。昔はビデオテープが高価で貴重だったため、再利用して他の映像を上書きしてしまったのだという。。全182話のうち、56分が失われていて、さらに悪いことに話の最後の部分、130話から180話までがごっそり欠けているらしい。。

 

自分としては、映像は仕方ないとしても、本の方も絶版となり、図書館にある本ももう何年かすると読めなくなるかもしれず、古本も全巻揃えるのは難しそうなので、ぜひ復刻版の販売をしてもらいたいと思っている。