物語りたい

まだまだ物語り足りない

「南総里見八犬伝」

前回、今読んでいる「どてらい男」の後に読みたい本がある、と「黄金の日日」を挙げた。

その一方で、昔から何度も読みたいと思っては躊躇している本がある。

それは滝沢馬琴作「南総里見八犬伝」だ。

 

これには、ちょっと苦い思い出がある。自分が確か小学4年生の時にNHKの人形劇で「南総里見八犬伝」をやっていて、犬と人間の間に生まれた子供たちが活躍する奇想天外さが新鮮で、毎回楽しみに観ていた。そして、ちょうどその頃クラスで文芸会みたいな催し物が企画されていて、自分は「南総里見八猫伝」を書くと公言し、その脚本で芝居が行われることになったのだ。しかし、自分は何事にも中途半端で最後までやり通したことがなく、その台本も全く書けずに、クラスの全員の前で泣いてチャラにしてしまったのだ。

今思い出しても、赤面してしまう。。何て幼稚で、浅はかだったんだろう。。何の捻りもなく、「犬」を「猫」に置き換えただけで、何が書けるというのだろう。いくら思い出そうとしても、当時自分に独自のストーリーの構想があったはずもなく、滝沢馬琴が気の遠くなる時間をかけて創り上げたこの物語を読みもせず、新たに作り直せるはずもない。。

この愚かで、もしかすると知恵遅れか?と疑われても反論できないほどの低能で、やらかしてしまったこの過去の出来事(低能さ)が、その後の自分の人生を決定づけてしまったのかも知れない。。

ふと、そんなことを思い浮かべるたびに、人生のリベンジを考え、「南総里見八犬伝」を読み、これを素材にしてストーリーを創りたいと思うのだが、怠け者だからか、難度が高いからなのか、そのいずれもが足止めして、もう初老という域が近づいたこの歳になっても実行できていない。

ああ、、情けなや。。

 

と、ため息をつきつつ、今度こそ、と何千回目か分からないほど決意をする自分なのでした。。(← あーあ。また中途半端にお茶を濁している。。)

 

「黄金の日日」

読書の秋、だからと言う訳ではないけど、最近読みたい本がたくさんある。

だけど、自分は肢体不自由者なので、本を読む姿勢が長い時間維持できず(無理に椅子に座り続け姿勢を保とうとすれば、背中やお腹の筋肉が痛くなる)、手が自由に動かない時間帯もありページがメクレなくなることもある。一日中本を読んでいたいがそれもできない。

だから、そんな自分に最もラクなのは、ソファに深く腰かけ、録画しておいたテレビ番組を観ることなのだが、興味のある番組、面白そうな番組、家族と観たい番組、そんな風に録画していると一日中観続けても観終わらないぐらい溜まってしまい、それを消化したり、取捨選択し録画したものを観ないまま削除して整理するのに追われたりして、まるでテレビの奴隷になってしまっている。。

テレビとは、もう少し上手に付き合っていくことを考え、実行していかなければならないが、当面次に読む本を考えている。今読んでいるのは、花登筺作の小説「どてらい男(ヤツ)」で、全11巻中もうすぐ4巻目を読み終わるところだ。まず今のペースで読み進めば、10月中には全巻読み終わりそうだから、その後は晩秋にふさわしい本を読みたいと思っている。

そこで、候補に挙がっているのが先日動画サイトで全編観て面白かった、NHK大河ドラマ黄金の日日」の原作だ。これも調べると、1978年放送の作品。自分が中学校3年生の時に観たドラマだ。当時も観ていて、川谷拓三演じる杉谷善寿坊が竹でできたノコギリで道中の旅人に首を挽かれ処刑される、何とも痛々しくゾッとするシーンを鮮明に覚えていたので、久々に見たのだ。

 当時のドラマは、カメラの映りも悪いし、セットも幼稚で、CGで画像処理したり、ということもなかったから、最近のドラマと観比べるとかなり見劣りがする。

だけど、そこがまた良い!ない物をあるように工夫して撮っているのだ。以前ベトナム旅行中に観たテレビで、セットを組まず背景に絵を描いただけのドラマを観て斬新だと思ったが、 作り手の熱意があり、原作やシナリオ、役者の出来が良ければそんなことは何も問題ではないと思い知らされた。

原作は、城山三郎。シナリオは、市川森一。主役の納屋助左衛門(呂宋助左衛門)には、市川染五郎(今は、松本白鸚。その前は、松本幸四郎を名乗る)。共演者に、根津甚八や川谷拓三、丹波哲郎など豪華な俳優陣が出ているのだから面白くないはずがない。あ!このドラマには夏目雅子も出ていた!

 

「どてらい男」も「黄金の日日」も、商人が主人公だ。商いがそのまま俗物的とも思われるので、面白いのかもしれないが、ぜひ早いうちに読みたいものだ。

 

「どてらい男」

自分は今、花登筺作の小説「どてらい男(ヤツ)」を読んでいる。時間のある時に少しずつ読み続けているのだが、これがとても面白いのだ!

 

「どてらい男?」

 

このタイトルを知っている人は、おそらく50代以上の人だろう。

自分は間もなく55歳の誕生日を迎える。その自分も、記憶が途切れ途切れなのだが、検索して調べてみると1973年から1977年までテレビでドラマ化された小説なのだ。

戦前戦中から戦後までの、大阪の商人を描いた骨太なドラマで、大人向けだったのだろうが、当時小学校4年生だった自分は、その内容がとても面白くて欠かさず観ていたような覚えがある。

 

今読んでいるのは、全11巻中の4巻目。この段階ではまだ登場していないが、ドラマの中で宮崎県出身だという登場人物が現れ、宮崎県の郷土料理「冷や汁」を作って、仲間たちに食べさせるというシーンがあり、そこが強く記憶に残っている。

 

ドラマを観てから、もう40数年経つが、いつか原作を読みたいと思っていた。しかし、本がどこを探しても見つからない。中古本さえ見つからず、図書館にもない。それで、時々思い出しては、あっさり諦めていた。

 

そこへ、つい最近本が自分の目の前に現れた。図書館に貸し出された本を返却する棚があって、そこで見かけたのだ。さっそく借りてみようと思い、図書館員に尋ねてみると、あまりに古く状態も良くないので、書架ではなく書庫に保管してあると言う。借りてみると、もうボロボロであちこちのページが外れていて、気を付けないと本自体がバラバラになってしまいそうだ。

 

今は本で読んでいるが、できればドラマでも見直してみたい。主演の西郷輝彦も、共演の田村亮も若かったし、ずいぶん懐かしいに違いない。。。

と、ネットで検索してみると、ドラマを制作した関西テレビが「どてらい男捜索プロジェクト」と旗を揚げ、映像テープを探しているそうだ。昔はビデオテープが高価で貴重だったため、再利用して他の映像を上書きしてしまったのだという。。全182話のうち、56分が失われていて、さらに悪いことに話の最後の部分、130話から180話までがごっそり欠けているらしい。。

 

自分としては、映像は仕方ないとしても、本の方も絶版となり、図書館にある本ももう何年かすると読めなくなるかもしれず、古本も全巻揃えるのは難しそうなので、ぜひ復刻版の販売をしてもらいたいと思っている。